2022年に出会った「きっとまた読み返したくなる」本
これは何か
こちらの記事は おすすめ本 Advent Calendar 2022 - Adventar の18日目の記事です。
2022年1月1日 ~ 12月17日までに55冊ほど本を読みました。
今日は、そのリストを振り返ってみた時に「この本はきっとまた読み返したくなる」と思えた数冊について紹介します。
先にお断りしておくと、今年は狭義の意味の「技術書(IT)」をほとんど読まなかったため触れていません。「マネジメント」「チームビルディング」はたまた「アジャイル・スクラム」といったキーワードと触れる機会が多かったように思います(あとやたらと「今、ここ」という言葉を見かけた気がする。流行りなのかな)。
自己啓発部門
プロフェッショナルの条件 - P.F.ドラッカー
前職の上司からもらった当時は読み進められず断念していた本を再読したらめちゃくちゃ響きました。読むべきタイミングというものがあるんだなと思います。
プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか | P・F. ドラッカー, Peter F. Drucker, 上田 惇生 |本 | 通販 | Amazon
弱ってる時に読む本ではない気がするが、今日ならいけると思い読み切った
— don (@domb_ri) February 27, 2022
前職の上司から譲ってもらった当時はピンとこなかったけど、いま欲しかった言葉や考え方が沢山あって付箋だらけに pic.twitter.com/Uu95SKA4Tk
「後回し」にしない技術 - イ・ミンギュ
よくある自己啓発本っぽいタイトルですが、実行力・達成力を高めるための工夫や考え方について具体的に書かれている本でした。単に「後回し」にしないための小手先の技術だけでなく、もっと根本的な、仕事だけでなく私生活にも大きく及ぶ部分の「どう日々を生きるか」という観点の話がメインの印象です。
目標を達成するためには「スタート・モチベーション」と「持続モチベーション」というふたつの動機づけが必要と定義し、それらを高めるための科学的根拠や実践方法について述べられています。
Amazon.co.jp: 「後回し」にしない技術 eBook : イ・ミンギュ, 吉川南: 本
具体例は書籍を確認いただくとして、印象に残った(グサグサきた)言葉を引用・・・
時間がないから成果を上げられないのではなく、時間がありすぎるから成果を出せないことの方がずっと多い。
グサッ
何かを成し遂げたければ、漠然と「やってみよう」という考えでは駄目だ。「なぜ、やらなくてはならないか」、その切実な理由を探さなくてはならない。状況が切迫したり、切実な理由が見つかりさえすれば、あなたの選択はたちまちシンプルになる。他のことを考えている暇はなくなる。あなたの心の中に切実な願いが生まれさえすれば、それを妨げる誘惑を振り切るのは簡単だ。どんな目標でも、切実な理由を探し出し、差し迫った気持ちで取りかかれば、その目標はすでに半分は成功したも同然だ。
エンジニアリング部門
エンジニアリングマネージャーのしごと―チームが必要とするマネージャーになる方法 - James Stanier
いつでも読み返して、その時々に感じている疑問や悩みを解消するきっかけをくれそうな本でした。いまマネージャーの立場でない人も「マネージャーの視点に立ってみる」機会を得られ、マネージャーとの関係性向上にも効いてくると思います(実際私はマネージャー職ではないです)。
エンジニアリングマネージャーのしごと ―チームが必要とするマネージャーになる方法 | James Stanier, 吉羽 龍太郎, 永瀬 美穂, 原田 騎郎, 竹葉 美沙 |本 | 通販 | Amazon
期待以上によかった。
— don (@domb_ri) September 4, 2022
現職のマネージャーがとても頼りになる方なんだけど、本の内容にかなり当てはまる活動をされていて(読んでる…?)めちゃくちゃ納得してる。
マネージャーになることに少しでも興味ある方、もしくはすでにマネージャーされてる方にもおすすめ。
また別途まとめたいです。 https://t.co/1TFW1peqVD
小説部門
同志少女よ、敵を撃て - 逢坂 冬馬
こちらの本は読まずとも存在だけでも知っている方は多いのではないでしょうか。
久しぶりに小説を読んだのですが、物凄いスピード感と臨場感に巻き込まれ、あっという間に読み切りました。実在の人物・出来事とリンクする部分があることや、ウクライナとロシアの件もあり、様々考えさせられる本でした。
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キッチン - 吉本ばなな
よしもとばななさんの有名なタイトルです(最初自伝かと思いながら読んでた)。
新幹線乗車中の一時間ちょっとで読めてしまう軽さだけど、すっと引き込まれて、いろんな感情がめぐってきた。あったかくなったり、励まされたり、悲しくなったり、怒りたくなったり。
登場人物が皆良い人。ちょっと良過ぎて、あまり現実味もないのだけど作中の重要人物である「えり子さん」の言葉選びや生き方がとても好きでした。
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本当にわかったことがあったの。・・・世界は別に私のためにあるわけじゃない。だから、いやなことがめぐってくる率は決して、変わんない。自分では決められない。だから他のことはキッパリと、むちゃくちゃ明るくした方がいい、って。
エッセイ部門
ウィニング・アローン――自己理解のパフォーマンス論 - 為末大
元オリンピック(ハードル走)メダリストの為末大さんが、東京2020に出場する選手に向けた言葉としてつづられています。スポーツの視点の話ですが、スポーツに限らず、学業や業務での自己認知の大切さやそれに伴う活動の考え方、精神的な在り方についても通じるものがあると感じます。
「勝利」の定義を設け、それにむかって活動していくときの心や体の動きをつぶさに言語化し、共有してくれている本です。
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自分の競技人生を振り返って感じるのは、自分を知ることの重要さだ。自分を知れば知るほど、短所と 思っていたものが、じつは長所と一体であることがわかってきた。また、私は短所と思って いたものが長所として活かされるような場所を選んで戦ってきた。ある意味で私の競技人生 は自分を知り、その扱い方を学ぶ過程だったと言える。
練習の中で何を意識し、何を目指し、何を達成すれば勝利とするのか。これを決めて日々取り組み、そして帰り道でうまくいったのかいかなかったのか、行かなかったなら、それはなぜなのかを振り返り反省する。そしてまた明日の目標を決める。大きな目標よりもこのようなごくごく短期の目標と実践と振り返りのが影響が大きかった。
おわりに
2023年も本を読んでいくぞ。